日本株特集第2弾 アナリストが強気評価の銘柄は?
多くの証券会社には銘柄分析を専門の仕事とするいわゆる「アナリスト」がいます。通常アナリストは担当の分野(セクター)が決まっており、専門知識にもとづいて担当分野の銘柄の分析や評価を行い、投資家向けに情報発信を行っています。以下の花王(4452)のように多くのアナリストが「強気」の評価をする銘柄もあれば、大日本住友製薬(4506)のように「弱気」の評価が多い銘柄もあります。もちろんアナリストの予想や見通しが外れることも多く、すべてを鵜呑みにすることは危険ですが、1つの情報として投資の参考にすることは有効といえます。
■花王のアナリスト評価
・目標株価コンセンサス
最新値8,815円、対前週変化率0.00%、乖離率8.82%
・レーティング推移
最新値4.31、1週間前4.31、1カ月前4.21、3カ月前4.00
・コメント
業績予想:増収増益を予想。今期経常利益に関する現在のアナリスト予想の平均値は7.1%増益の218,725百万円で、会社予想215,000百万円に対し若干強気の予想となっています。最近の予想の推移を見ると、この1週間の変化はなく、3カ月間では0.1%上昇しています。
レーティング:アナリスト評価の平均は「やや強気」。この1週間では横ばい状態、3カ月前と比較すると0.3上昇してます。この3カ月間で、同社の株価の水準は4.7%上昇しています。
■大日本住友製薬のアナリスト評価
・目標株価コンセンサス
最新値1,672円、対前週変化率-3.62%、乖離率-22.44%
・レーティング推移
最新値2.00、1週間前2.00、1カ月前2.00、3カ月前2.00
・コメント
業績予想:売上微減減益を予想。今期経常利益に関する現在のアナリスト予想の平均値は35.2%の減益の55,018百万円で、会社予想55,000百万円に対し若干強気の予想となっています。
レーティング:アナリスト評価の平均は「やや弱気」。この1週間では横ばいの状態。3カ月前と比較すると水準に変化はありません。この3カ月間で、同社の株価の水準は9.78%上昇しています。
上記はマネックス証券の無料銘柄分析ツール「マネックス銘柄スカウター」の花王と大日本住友製薬の「アナリスト評価」ページです。花王は目標株価乖離率が8.82%と目標株価が実際の株価を上回っており、レーティングも強気なアナリストが目立ちます。一方の大日本住友製薬は目標株価乖離率が-22.44%と実際の株価がアナリストの目標株価を上回っており、レーティングも弱気なアナリストが目立っています。それではいよいよ銘柄分析のプロであるアナリストたちが強気なひょうかをしている銘柄をご紹介します。
プロのアナリストが強気評価をしている銘柄は?
具体的な銘柄を見ていきましょう。今回は株式会社アイフィスジャパンの集計をもとに、「プロのアナリストが強気評価をしている銘柄は?」というテーマで銘柄をピックアップしました。具体的な条件は以下のとおりです。
スクリーニング条件
・東証1部、東証2部、東証マザーズ、東証JASDAQのいずれかに上場
・2018年8月8日時点の株式会社アイフィスジャパンの集計で5人以上のアナリストが評価を行っている
・株式会社アイフィスジャパンが行っているアナリスト評価の5分類「強気」「やや強気」「中立」「やや弱気」「弱気」で、その銘柄を評価しているアナリストがいずれも「強き」または「やや強気」の評価
特に注目の5銘柄をピックアップ
上記でご紹介した銘柄の中からマーケット・アナリスト益嶋が特に注目している5銘柄をご紹介します。
前田建設工業(1824)
準大手ゼネコン。公共性の高い構造物の建設中心に土木工事(橋梁やトンネル)、建設工事(集合住宅や事務所ビル)、インフラ運営(再生可能エネルギー、コンセッション)を展開。施工実績は建築(天王洲セントラルタワー・J.CITY・THE TOKYO TOWERS・香港国際空港ターミナルビル)、土木(田子倉ダム、中国水口ダム・東京湾横断道路海ほたる・柏崎刈羽原子力発電所)など。リニューアル工事、トンネル・ダム・シールド分野、耐震工事、脱請負分野(再生可能エネルギー・公共インフラ運営)に注力。建設機械の前田製作所(6281)は連結子会社、海洋土木大手の東洋建設(1890)と前田道路(1883)は持分法適用連結会社。2016年トプコン(7732)とコンクリート劣化診断システムを開発、仙台空港のコンセッションに参加。
■前田建設工業のアナリスト評価
・目標株価コンセンサス
最新値1,620円、対前週比変化率0.00%、乖離率32.46%
・レーティング推移
最新値4.80、1週間前4.80、1カ月前4.80、3カ月前4.80
・コメント
業績予想:増収増益を予想。今期経常利益に関する現在のアナリスト予想の平均値は7.1%増益の39,650百万円で、会社予想32,660百万円に対し強気の予想となっています。最近の予想の推移を見ると、この1週間の変化はなく、3カ月間では5.1%上昇しています。
レーティング:アナリスト評価の平均は「強気」。この1週間では横ばいの状態。3カ月前と比較すると水準に変化はありません。この3カ月間で、同社の株価の水準は6.57%下落しています。
トリドールホールディングス(3397)
外食チェーン運営。讃岐うどん専門店チェーン・セルフ方式の「丸亀製麺」を中核に、炭火焼き鳥・ファミリーダイニング「とりどーる」、ラーメン「丸醤屋」、豚カツ・トンテキ「豚屋とん一」等の運営。国内1012店舗(2018年3月)。できたて感・手作り感を重視した店舗作りが特色の「丸亀製麺」は業界トップ。2015年全世界6,000店舗、売上5,000億円を目指し、海外店舗展開(中国・アジア・アフリカ・ヨーロッパ、528店舗)を積極的に推進。2016年持株会社化。2017年濃厚とんこつラーメン「ずんどう屋」運営のZUNDをグループ化。
■トリドールホールディングスのアナリスト評価
・目標株価コンセンサス
最新値3,815円、対前週変化率0.00%、乖離率61.04%
・レーティング推移
最新値4.67、1週間前4.67、1カ月前4.67、3カ月前4.67
・コメント
業績予想:増収増益を予想。今期経常利益に関する現在のアナリスト予想の平均値は36.4%増益の9,785百万円で、会社予想9,399百万円に対し強気の予想となっています。最近の予想の推移を見ると、この1週間の変化はなく、3カ月間では16.9%下落しています。
レーティング:アナリスト評価の平均は「強気」。この1週間では横ばいの状態。3カ月前と比較すると水準に変化はありません。この3カ月間で、同社の株価の水準は36.06%下降しています。
三和ホールディングス(5929)
三和シャッター工業(業界トップ)を中核とをする持株会社。ビル商業施設建材製品や住宅建材製品の建築用金属製品(シャッター、スチールドア、窓製品、間仕切製品、ステンレス製品)の製造・販売。主力商品は各種シャッター、ドア、オーバーヘッドドア、住宅用窓シャッター、エクステリア製品、ステンレス製品。日本・米国・欧州・アジアの世界25カ国でグローバルに事業活動。シャッターやドアに続く多品種化商品(間仕切商品・住建エクステリア商品・防水シャッター)の育成を推進。2007年持株会社化。2012年米ガレージドア・シャッター首位の米オーバーヘッドドア社、2013年ドア・シャッター欧州第2位の独ノボフェルム社を買収(2017年完全子会社化)。2017年日本スピンドル製造から建材事業を譲受。
■三和ホールディングスのアナリスト評価
・目標株価コンセンサス
最新値1,547円、対前週変化率0.00%、乖離率22.36%
・レーティング推移
最新値4.83、1週間前4.83、1カ月前4.83、3カ月前4.83
・コメント
業績予想:増収増益を予想。今期経常利益に関する現在のアナリスト予想の平均値は13.3%増益の31,612百万円で、会社予想31,000百万円に対し若干強気の予想となっています。最近の予想の推移を見ると、この1週間の変化はなく、3カ月間では5.5%下落しています。
レーティング:アナリスト評価の平均は「強気」。この1週間では横ばいの状態、3カ月前と比較すると水準に変化はありません。この3カ月間で、同社の株価水準は9.97%下落しています。
イオンモール(8905)
日本最大級の商業専業ディベロッパー。「イオン」を核テナントとする大規模ショッピングモールの開発と運営・管理(国内175モール・海外25モール、2018年4月)。都市型ファッションビルのショッピングモールOPAを傘下に持つ。イオンリート法人をはじめとするリートを活用した投資戦略を添加。中国・アセアン諸国への進出、既存モールの大規模活性化(リニューアル)推進、インバウンド対応(施設・サービス・機器システム)、デジタリゼーションに注力。2013年旗艦モール「イオンモール幕張新都心」オープン、イオンリテールの商業施設の運営管理業務受託。2016年都市型ファッションビル開発・運営のOPAを完全子会社化、コミュニケーションロボット・ロボットシャトル走行を試験導入。主要取引先はイオンリテール。
■イオンモールのアナリスト評価
・目標株価コンセンサス
最新値2,567円、対前週変化率0.00%、乖離率33.26%
・レーティング推移
最新値4.83、1週間前4.83、1カ月前4.17、3カ月前4.17
・コメント
業績予想:増収増益を予想。今期経常利益に関する現在のアナリスト予想の平均値は4.4%増益の51,200百万円で、会社予想の51,000百万円に対し若干強気の予想となっています。最近の予想の推移を見ると、この1週間は変化がなく、3カ月では0.6%下降しています。
レーティング:アナリスト評価の平均は「強気」。この1週間では横ばいの状態。3カ月前と比較すると0.6上昇しています。この3カ月間で、同社の株価の水準は13.05%下降しています。
東京都競馬場(9672)
不動産施設の賃貸会社。「大井競馬場」「伊勢崎オートレース場」オーナーとして賃貸・管理、総合レジャーランド「東京サマーランド」の経営、倉庫施設(勝島と平和島)・商業施設・オフィスビル等の賃貸。利益の大半を倉庫賃貸事業が稼ぐ。大井競馬場敷地内への総合レジャー公園化(関東最大級のイルミネーションスポット)、東京サマーランドの大改装に注力。2014年太陽光発電システムを設置・売電事業に参入。東京サマーランドに2014年大型ウォーターアトラクション「DEKASLA」、2015年ネット馬券システム稼働、「わんダフルネイチャーヴィレッジ」オープン。主要取引先は特別区競馬組合。
■東京都競馬場のアナリスト評価
・目標株価コンセンサス
最新値5,680円、対前週変化率4.41%、乖離率40.07%
・レーティング推移
最新値5.00、1週間前5.00、1カ月前5.00、3カ月前5.00
・コメント
業績予想:増収増益を予想。今期経常利益に関する現在のアナリスト予想の平均値は8.7%増益の6,524百万円で、会社予想5,955百万円に対し強気の予想となっています。最近の予想の推移を見ると、この1週間の変化は3.2%の上昇、3カ月間では6.9%上昇しています。
レーティング:アナリスト評価の平均は「強気」。この1週間では横ばいの状態、3カ月前と比較すると水準に変化はありません。この3カ月間で、同社の株価の水準は9.89%下落しています。