写経、日経記事2017.8.3

最近、毒を吐いてないな。

ま、修行が優先ですな。

(moreでやってまあす)
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中国AI、米に肉薄 データ数で圧倒的に優位
AI開発の分野で、先頭を行く米国に中国が迫りつつある。一部の分野では既に追い越しているようだ。ネット利用者の絶対数の多さがもたらすデータ量と多様性が、深層学習分野で有利に働く。既存のIT(情報技術)大手もベンチャー企業も、中国政府の支援を受けつつ、AI技術開発にまい進する。
2017年の年明けに、世界のAI(人工知能)開発の行方を暗示する2つの出来事が連続して起こり、この業界の動向を追う人々の注目を集めた。
1つ目は、世界最大のソフトウエア企業、米マイクロソフトの幹部だった陸奇氏が中国企業に移籍したことだ。自転車事故でけがを負い休職中だった陸氏は1月半ばに移籍を発表した。けがが治ってもマイクロソフトに復帰はせず、中国検索エンジン大手・百度(バイドゥ)の最高執行責任者(COO)に就任する。
続いて1月末には、国際的なAI学会「AAAI」の年次大会の開催が延期された。予定されていた日程が、中国の春節(旧正月)と重なったためだ。
AIは、デジタルアシスタントから自動運転車まで、あらゆる分野で不可欠な技術になると広く考えられている。そのAIの一部の分野で、先頭を行く米国に中国が迫っている――分野によっては追い越してさえいる―ーことを示す兆候はこれまでにも見られた。先の2つの出来事はその最新の表れだ。
■論文数で世界1位
陸氏は移籍の理由を、中国がAI開発に適した場所であり、バイドゥはその中国で最も重要な企業だからだと説明した。「我々は未来のAIを先導する機会を手にしている」(陸氏)
陸氏の主張を裏づける証拠はほかにもある。米国政府が16年10月に発表した報告書によると、AI研究の一部門である深層学習(ディープラーニング)において、学術誌に掲載された論文数で中国が米国を上回ったという。
英コンサルティング会社プライスウォーターハウスクーバース(PwC)は、AI関連産業の成長は30年までに、世界の国内総生産(GDP)の総額を16兆ドル押し上げると予測する。しかも、その伸びの半分近くを中国のAI産業が担うという。
近年のAI関連の特許申請件数を見ると、絶対数ではなお米国がトップであるものの、中国人研究者による申請件数は3倍近くに増えた。
中国がなぜAI開発に適しているのか。その理由を理解するには、AI開発に必要な要素を考えればよい。最も基本的な要件であるコンピューターの演算能力と資本が、中国には豊富にある。
電子商取引大手のアリババ集団やネット大手の騰訊控股(テンセント)など中国の大企業はもちろん、CIBフィンテック(興業数字金融服務)やUクラウドといったベンチャー企業も、データセンターを早期に建設すべく全力を注ぐ。米調査会社ガードナーによると、クラウドコンピューティング市場の成長率は近年30%を超え、今後もこのペースで成長を続けそうだという。
中国のシンクタンク、烏鎮智庫によれば、中国のAI企業が12~16年に調達した資金は26億ドルに達する。米国のAI企業が集めた179億ドルには及ばないものの、その総額は急速に膨らんでいる。
■大量データが深層学習を支援
しかし、中国を真の意味でAIの約束の地にしている要素は、別の2つの資源にある。一つは人材だ。この国には、優れた計算スキルに加え、言語と翻訳を研究する伝統がある。マイクロソフトのAI開発を率いるハリー・シャム氏はこう指摘する。
アリババで150人のデータサイエンティストを監督する閔万里氏は、現在、最高レベルのAI専門家を中国で見つけるのは、米国で見つけるよりも難しいという。
しかし、この状況はあと数年で変わると同氏は予測する。中国の主要大学の大半がAI講座を開設しているからだ。AIを学んだ世界の科学者の5分の2以上が中国にいるとの推定もある。
中国が持つ第2の資源はデータだ。データはAIの世界で最も重要な要素である。かつて、ソフトウエアやデジタル製品は基本的に、プログラムされたルールに従って動作するものだった。それゆえ、優れたプログラマーを擁する国が優位に立った。
しかし、深層学習のアルゴリズムが出現し、動作のルールは、大量のデータから抽出したパターンに基づいて作られるようになった。利用できるデータが多ければ多いほど、アルゴリズムは多くを学ぶことができ、AI製品を賢くなる。
こうしたAIのサイクルにおいて、中国という国が持つ規模の大きさと多様性は強力な燃料となる。14億人に近い中国の人々は、日常生活を送るだけで、ほかのほぼ全ての国の国民を合わせたよりも多くのデータを生み出している。ごくまれな病気がであっても、診断法をアルゴリズムに学ばせるのに十分な症例数を確保できる。
中国企業は、音声認識を改良するのに必要な音声データも数多く保有している。漢字の入力は、欧米の文字を入力するよりも手間がかかる。そのため中国の人々は音声認識サービスを比較的多く使う。
中国に、ほかの国との違いを真にもたらしているのは、約7億3000万人に及ぶ、他国の追随を許さないインターネット利用者の多さだ。そのほぼ全員がスマートフォンでネットにアクセスする。
スマホのほうが、デスクトップパソコンでネットを利用するよりも有用なデータを生み出す。スマホは様々なセンサーを内蔵しており、しかも持ち歩かれるからだ。例えば中国沿岸部の大都市では、少額の買い物に現金が使われることはまずない。人々は支付宝(アリペイ)や微信支付(ウィーチャットペイ)などのサービスを利用して、スマホで決済する。
中国人々はプライバシーをあまり気にかけないようだ。このため比較的容易にデータを収集できる。例えば、中国の大都市で自転車のシェアリングサービスが急激に広まっている。
このサービスは、安価な移動手段を提供するだけでなく、一種のデータ活用事業でもある。一部の自転車シェアリング企業は、自転車に取り付けた全地球測位システム(GPS)を使い、利用者の移動経路を追跡している。
中国の若者はAIを使うサービスを特に熱心に利用する。その際、自分の個人情報を使われることに寛容だ。
マイクロソフトが提供する「シャオアイス(小冰)」は、現在中国で1億人以上が利用する人気のチャットボットだ。シャオアイスに話しかける人が最も多い時間帯は午後11時~午前3時。内容は、その日に利用者が経験したトラブルについてのものが多い。シャオアイスはこの会話から学び、ますます賢くなっていく。
今ではシャオアイスは、利用者を元気づけたり冗談を言ったりするだけではなく、AI初の詩集を発行するに至っている。「陽光は窓を失った」というタイトルのこの詩集は、中国の文壇で激論を巻き起こした。人工的な詩などというものがあり得るのか、という議論だ。
中国政府の支援も重要な役割を果たす。中国が現在進める5カ年計画において、AI技術は突出した扱いを受けている。IT企業は政府機関と密接に連携する。
例えばバイドゥは、国立の深層学習研究所を主導するよう要請されている。中国政府がAI企業を厳格な規制で縛ることは考えられない。中国にも個人情報保護に関する規則を含む法律は40以上あるが、それらが実際に適用されることはまれだ。
■急成長するAIベンチャー
起業家は、人材とデータの強みを生かそうとしている。中国のAI企業は、設立からまだ1~2年のものが多い。だが、かなりの数の企業が、欧米にベンチャー企業に比べて速いペースで発展を遂げてきた。
「中国のAIベンチャーは、比較的迅速に試行を繰り返し、じっせに移すことが多い」と李開復氏は解説する。李氏は2000年代に米グーグルの中国子会社を経営していたが、現在は中国のベンチャー・キャピタル・ファンド、シノベーション・ベンチャーズを率いる。
こうした背景から、中国には既に多くのAIユニコーンが存在する。ユニコーンとは10億ドル(約1100億円)以上の企業価値を有するベンチャー企業。北京のベンチャーが提供するニュースアプリ「今日頭条」は、読者の関心や所在地などの情報に基づいてお勧め記事を選ぶために、機械学習を採用している。偽情報の排除にもAIを使う(中国では健康関連の怪しげが発表が多い)。
別のAIベンチャー、科大訊飛(アイフライテック)は中国語を英語やドイツ語を含むいくつかの外国語に翻訳する音声アシスタントを開発した。話し手がスラングを使ったり、騒音多い場所で話したりしても機能する。
北京曠視科技(メグビー・テクノロジーズ)の顔認識ソフト「Face++」は人間をほぼ瞬時に識別する。
メグビー本社を訪問すると、顔認識ソフトの性能を存分に見せつけられる。ロビーに設置されたカメラのおかげで、社員たちはゲートで身分証を示す必要がない。顔パスで構内に入ることができる。
同様のカメラが社内のあちこちに置かれ、壁面のモニターがその映像を映し出している。誰かの顔が映ると即座に白い枠がその顔を囲み、その人物に関する情報を表示する。画面右上には大きく「スカイネット」の文字。映画「ターミネーター」で人類を絶滅に追い込もうとするAIシステムの名前だ。
メグビーのソフトは既に、モバイル決済のアリペイや配車アプリの滴滴出行(ディディ)が、新しい顧客の身元を確認するのに利用している(カメラに映った顔は、政府が保有する写真と照合する)。
中国のIT大手も、こうしたベンチャーの成功に刺激され、AIに巨費を投じ始めている。バイドゥ、アリババ、テンセント(BATと総称される)は、音声認識や顔認識など、多くの同じサービスに取り組む。加えてBAT各社は、それぞれが以前から持つ強みを生かしてAIの特定分野で主導権を握ろうと努力しているところだ。
テンセントは、今のところ最も出遅れている。ほんの数か月前にAI研究所を設立したばかり。しかし、同社はバイドゥやアリババよりも保有するデータ量が多いため、AI市場で大きな存在になることは間違いない。
同社のメッセージアプリ、微信(ウィーチャット)は10億近いアカウントを持つ。そのプラットフォーム上では、決済からニュース、都市ガイド、法律相談まで、何千ものサービスが展開されている。
テンセントはゲームの分野でも「リーグ・オブ・レジェンド」や「クラッシュ・オブ・クラン」など世界的なヒット作を持つチャンピオンだ。これらのゲームはそれぞれ、世界全体で1億人以上のプレイヤーを抱える。
アリババは巨額の投資により、クラウドコンピューティングでも最大手の座を目指す。6月に上海で開催された見本市では、「ETシティー・ブレーン」というAIサービスを披露した。画像認識技術を利用して都市交通をリアルタイムで最適化する。道路脇のカメラに映った映像を基に自動車の動きを予測し、その場で信号機を調整する。アリババの本社がある杭州では、このシステムにより、クルマ逃れる平均速度を11%速めたと同社は主張する。
アリババは「ETメディカル・ブレーン」というシステムの強化も計画する。こちらはAIを利用して製薬や病気の画像診断のサービスを提供するもの。既に10以上の病院と契約を結び、必要なデータの提供を受けることになっている。
生来の運命がAIに最も依存するのはバイドゥだ。同社がアリババ、テンセントと競争するうえで、AI技術は最大のチャンスをもたらすと考えられる。
バイドゥは、自動運転技術に資源の大半を注ぎ込む。18年までに自動運転車を市場に投入。完全に自律的に移動する乗り物のための技術を20年までに売り出すことを目指す。
7月5日に北京で開催された開発者会議で、同社は「アポロ」という自動運転ソフトの初期版を発表した。アポロを適切に使用すれば、クルマを路上で安全に走行させられるだけでなく、他社にも開かれたあるプロジェクトに寄与することもできる。
現在、グーグルの自動運転部門ウェイモや、電気自動車の米テスラなどの競合各社は、自社で開発したソフトや蓄積したデータを懸命に守ろうとしている。これに対してバイドゥは、ソフトの内容を公開する(業界用語で言えば「オープンソース」化する)ばかりか、データまで共有する計画だ。
バイドゥの技術を利用する自動車メーカーも同様に、自動運転車から集まるデータのためのオープンなプラットフォームを作ることになる。前出の陸氏はこれを「自律運転自動車のアンドロイド」と呼ぶ。
■データの優位性は永遠ではない
中国企業がAI製品をどの程度輸出できるようになるかはまだ分からない。現時点では、中国製のAIが海外で利用される例は数えるほどしかない。
理屈から言えば、中国製の自動運転車が世界に広まっても不思議ではない。中国の混沌とした交通環境で運転を覚えた自動運転車なら、欧州の洗練された道路を走ることに何の問題もないはずだ(逆にドイツで学んだ自動運転車は、北京では最初の交差点を通過することもできないだろう)。
しかし、欧米の消費者は、安全基準が緩く、ある程度の事故が容認される環境で訓練された自動運転車に乗ることをためらうだろう。中国各地の地方政府は、自律運転自動車の試験運用地域になろうと先を争っているという。
別のリスクもある。今のところ、データはAIにとって最も価値ある資源だが、その重要性はいずれ薄れていく可能性がある。AI企業は、ビデオゲームなどから得られるシミュレーションデータを学習に使い始めている。また、比較的少ない事例しかなくても、AIの能力を磨くことができる新種のアルゴリズムが登場するかもしれない。
自動運転技術を開発中の北京ベンチャー、UISEE(馭勢科技)の呉甘沙・最高経営責任者は、「危ないのは、データが豊富なことに甘えてアルゴリズムの革新を止めてしまうことだ」と警告する。
とはいえ、中国は今のところ、自己満足に浸っているようには決して見えない。AIの世界一を目指す競争で、中国は米国を追い詰めるに相違ない。
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by cwhihyou | 2017-08-03 09:35 | Comments(0)
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