写経、日経社説2017.7.13

(しゃきっとしますかね、moreで)
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電気自動車が普及するための課題は
フランスのマクロン新政権が、地球環境対策として大胆な政策を打ち出した。
2040年までに、走行時に二酸化炭素(CO2)を排出するガソリン車などの販売を禁止し、電気自動車(EV)の普及を加速するという。
自国に有力自動車会社を要する同国の「脱エンジン」政策は、日本を含む世界の自動車産業の行方に大きな影響を与えるだろう。
排ガスゼロのEVや、電池とエンジンを併用しつつも、電池による走行の比重が高いプラグインハイブリッド車の普及を後押しする動きは、カリフォルニアなど米国の有力州や世界最大の自動車市場である中国でも顕著であり、メーカーとしても対応が急務だ。
スウェーデンのボルボ・カーは、19年以降に発売する全車種をEVやハイブリッド車にし、エンジン単独車の販売を順次打ち切る。
独フォロクスワーゲンや米フォード・モーターも車の電動化について長期の計画を打ち出した。
気になるのは日本メーカーの動きだ。
トヨタ自動車など日本車は燃費改善などエンジンの改良で一定の成果を上げてきたが、過去の成功にとらわれるあまり、新たな潮流に乗り遅れてはならない。
自動車は地域経済や雇用を支える大黒柱的な存在でもあり、技術革新の波にしっかり対応してほしい。
一方で、自動車の電動化が順調に進むためには、いくつか課題もある。
昨年の世界新車販売に占めるEVの比率は0.5%にすぎず、ハイブリッド車を含めた電動車全体でも3%弱にとどまる。
電池のコストがエンジンに比べてまだまだ高く、一回の充電で走れる距離も短いからだ。
EVの普及が進むノルウェーなどでも、税金や通行料金の減免など種々の優遇策で需要を支えているのが実態だ。
EVがエンジン車と同等の条件で競争できるようになるためには、電池技術の改良や量産化によるコストの大幅低減などを着実に進める必要がある。
環境面でも電動化の利点を見極めたい。
EV化すれば排ガスがゼロになり、中国の大都市部など一部の地域で深刻な大気汚染の解消に威力を発揮するだろう。
他方で温暖化対策としえては発電時に発生するCO2も勘定に入れて考える必要がある。
CO2排出の少ない原子力発電の比重が高いフランスが電動化に動くのは、この観点からも理にかなっている。
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TPP11発効へ柔軟に対応を
米国を除く環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国による首席交渉官会合が、神奈川県箱根町で始まった。
日本は欧州連合(EU)と経済連携協定(EPA)で大枠合意した。
これを追い風に、11カ国によるTPP(TPP11)の発効にむけて各国の間合いをできるだけ縮めてほしい。
11カ国は11月に首脳会合を開く。
今回の首席交渉官会合はその準備の一環と位置付けられる。
米国を含む12カ国で合意したTPPは質の高い21世紀型の貿易・投資ルールである。
米国が離脱を決めても、12カ国での合意内容の骨格は維持すべきだ。
たとえば、11カ国が約束した関税の削減・撤廃の修正を議論し始めると、収拾がつかなくなる公算が大きい。
再交渉に長い時間が必要となり、その分だけ発効の時期が遅れる。
安易に関税の議論を蒸し返してはならない。
議長国の日本がその点を各国と確認してほしい。
一方で実質8年で合意した医薬品データ保護期間の扱いは、柔軟に対応してはどうか。
12カ国による交渉では、米医薬品業界の意向を背に米国が12年、オーストラリアなどが5年を主張して対立した経験がある。
米国がTPPに復帰するなら8年に戻すことを条件に、それより期間を短くする微調整は考えていい。
TPPの発効は、参加国全体の国内総生産(GDP)の85%以上を占める6カ国以上が国内手続きを終えるのが条件だ。
米国抜きで発行するには条件を変えなければならない。
11カ国が協定本体を変える案のほか、協定本体は維持したまま別に「議定書」を結んで暫定的に発効する案があるとされる。
米国がいずれ復帰できる可能性も意識しながら案を詰めてほしい。
日欧のEPA合意はひとまず、保護主義に対抗する決意を世界に示した。
次はTPP11の番である。
日本はそのために強い指導力を発揮すべきだ。
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by cwhihyou | 2017-07-13 08:34 | Comments(0)
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