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冠動脈狭窄が疑われる患者にはまずCT、2016.11.25
独Charite大学病院のMarc Dewey氏らは、非定型的な狭心症疑いの患者を対象にしたランダム化対照試験を行い、最初に冠動脈CT検査を行うと、カテーテルによる冠動脈造影が必要な患者を減らせる上に、入院期間も短縮できると報告した。
結果はBMJ誌電子版に2016年10月24日に掲載された。
動脈からカテーテルを挿入する冠動脈造影は、冠動脈の閉塞性疾患を確定診断できる。
しかし、狭心症の疑い例すべてに適用すると検出される冠疾患の患者の割合(診断率)は低くなり、まれだが生命を脅かす合併症も生じ得る。
一方、CTの性能向上に伴い、静脈から造影剤を投与する冠動脈CTで、冠動脈の閉塞性疾患が診断できるようになってきた。
しかしこれまで、狭心症疑い例に対して冠動脈造影とCTの有効性を比較するランダム化対照試験は行われていなかった。
そこで著者らは、冠動脈疾患のリスクが中等度で、冠動脈造影の適応があると見なされた患者を対象にして、冠動脈造影と冠動脈CTの検査成績を比較する単独施設でのRCTを計画した。
2009年2月18日から2015年8月27日まで、非定型的な絞扼感または胸痛があり、狭心症を示す3つの基準(胸骨後不快感、労作による誘発、硝酸薬の使用または安静により30秒から10分以内に消失)のうちの1つか2つを満たすために冠疾患が疑われた患者を対象に参加者を募集した。
心電図や血液検査から明らかに心筋梗塞が疑われる患者、洞調律ではない患者、インフォームドコンセントが得られなかった患者、5秒間の息止めができない患者、30歳未満の患者、透析を受けたことがある患者は除外した。
条件を満たした参加者は、まずCT検査を受け結果が陽性の患者のみ冠動脈造影を受ける群と、最初から直接冠動脈造影を受ける患者群にランダムに割り付けた。
どちらの検査も陽性の判定は、左主冠動脈の50%以上の狭窄、他の冠動脈の70%以上の狭窄が見つかった場合とした。
冠動脈疾患の検査前確率は、Duke臨床スコアを用いて評価した。
冠動脈CT検査には、検出器320列の機種を用いた。
方法論的に患者や担当医は盲検化できなかったが、成績を評価する研究者は盲検化した。
追跡は最長で2016年8月16日まで実施した。
主要評価項目は、CTまたは造影に関係する最後の処置から48時間以内の、手技に関連する主要な合併症(死亡、脳卒中、心筋梗塞、入院期間24時間以上延長させる合併症)に設定した。
ほかに、診断率、入院期間、放射線被曝量、長期的な転帰、患者受容性などについて検討した。
試験期間中に冠動脈疾患の疑いで受診した患者739人のうち、条件を満たした患者は340人で、平均年齢は60.4歳、50%が女性で、割り付け時の検査前確率は34.6%だった。
CT群の168人のうち、インフォームドコンセントが得られなかった1人と、主治医の要望で冠動脈造影を行った2人が、割り付けから離脱した。
造影群の172人のうち10人は、試験参加を撤回したため離脱した。
そのため主要評価項目の評価対象となったのは、CT群の167人と造影群の162人だった。
評価対象となった329人中、CT群の18人と造影群の25人の合計43人(13.1%)が最終的に閉塞性冠動脈疾患と診断された。
これはDuke臨床スコアの検査前確率34.6%より明らかに低く、疑い患者の真の陽性率は低いことを意味する。
CT群167人のうちで冠動脈造影を受けたのは24人(14%)で、造影群では162人全員が造影検査を受けていた。
従って、前もってCTを実施すれば冠動脈造影が必要な患者を14%(95%信頼区間9-20%)まで絞り込めることが示唆された。
最終的には、CT群では冠動脈疾患疑い患者の167人中149人(88.9%)が除外でき、造影群では162人中137人(84.6%)が除外できた。
実際に冠動脈造影を受けた患者に占める閉塞性冠疾患患者の割合(診断率)は、CT群では24人中18人(75%)、造影群では162人中25人(15%)だった。
また冠動脈造影を受けた患者に占める再開通治療率でも、CT群は24人中16人(67%)、造影群は162人中23人(14%)で、明らかにCT群が優位だった。
48時間以内の主要な手技関連合併症は、0.3%とまれで、両群の発生率に差はなかった。
死亡例や脳卒中はどちらの群にも発生しなかった。
手技関連のマイナー合併症の発生率は、CT群が3.6%、冠動脈造影群は10.5%で、多く見られたのは冠動脈造影の際の穿刺部位の血腫または2次出血だった。
CTは入院期間を短縮した。
造影群では中央値52.9時間(四分位範囲は49.5~76.4時間)だったが、CT群は中央値30.0時間(3.5~77.3時間)だった。
ただし、ランダム割り付け時に入院が決まっていた患者では、CT群60.3時間(32.6~98.5時間)、造影群68.0時間(50.2~105.8時間)で有意差はなかった。
放射線曝露量の中央値はCT群が5.0mSv(四分位範囲4.2~8.7mSv)、造影群は6.4mSv(3.4~10.7)で差はつかなかった。
長期的な転帰への影響を調べるために、中央値3.3年(四分位範囲1.3~4.6年)追跡した。
主要な心血管イベント(MACE)は、CT群の167人中7人(4.2%)と造影群162人中6人(3.7%)に発生、調整ハザード比は0.90(95%信頼区間0.30-2.69)で有意差は見られなかった。
329人中292人から検査に対する希望の質問票調査の回答が得られた。
患者の79%が、次に検査を受けるならCTを希望すると回答した。
冠動脈造影を選ぶと回答した患者は7%だった。
これらの結果から著者らは、冠動脈造影に先行してCT検査を行うと、冠動脈狭窄の診断率が改善し、入院期間を短縮でき、長期成績も劣らないと結論している。
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by cwhihyou | 2017-07-08 09:22 | Comments(0)
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