写経、たまには軟派記事でも2017.6.15

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大手8社、生き残るのはどこだ!?
「東芝解体、電機メーカーが消える日」が話題。
日経スタイル
ビジネス街の書店をめぐりながらその時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。
今回は定点観測している紀伊國屋書店大手町ビル店に戻る。
強い売れ筋にはあまり変化は見られない。
金融庁が進める資産運用改革をルポした新書の「捨てられる銀行2 非産運用」や、ホワイトカラーの働き方を論じる「生産性」などが5月初めと変わらずに売れ続けている。
そんな中で大手町のビジネスパーソンんが新たな関心を寄せる新刊は、東芝危機を軸に日本の電機産業の失敗に光を当てた1冊の新書だった。
■産業ピラミッドの瓦解が構造要因
その本は大西康之「東芝解体、電機メーカーが消える日」(講談社現代新書)。
著者は企業取材に長く携わってきた元日本経済新聞の記者だ。
タイトルをよく見ると「東芝解体」の方が小さな文字になっている。
つまり東芝が副題で、本題は「電機メーカーが消える日」。
東芝1社の問題を掘り下げるというより、日本の電機産業全体の失敗について正面から検証してみようというのが、本書の意図するところとなる。
序章で明らかにされるのは、次の言葉に集約される失敗の本質だ。
構造的要因といってもいい。
「電電ファミリーと電力ファミリー。
戦後の日本の電機産業を支えてきた、この二つの産業ピラミッドが瓦解したことが、『電機全滅』の最大の原因なのである」。
電電公社、後のNTTグループと電力業界。
国策的ともいえる両グループの巨額な設備投資を分け合って成長を遂げたのが戦後の日本の電機産業であり、その「ミルク補給」がなくなった後、どのように生きる場所を見つけるのか、その模索と失敗が刻み込まれたのがこの30年ということになる。
課題は今も電機各社の経営陣に重く突きつけられている。
■8つの企業を個別に検証
もちろんそうした大づかみな構造に、はまらない企業もある。
序章に続いて個別企業の失敗を丹念に検証する中で、企業ごとの事情の違いも明らかにしていく。
取り上げたのは東芝、NEC、シャープ、ソニー、パナソニック、日立製作所、三菱電機、富士通の8社。
それぞれの経営の失敗を指摘する著者の口調は厳しいが、「日本の電機産業にはまだ人材と技術と経験が残っている。ノキアのように変貌することは、まだ可能だ」と言い、再生への期待ものぞかせる。
「おわりに」の中で、電機業界をめぐる新しい流れとして、家電ベンチャーや新規参入の家電メーカーなどで生き生きと働く元大手家電の技術者たちの姿をスケッチしているのも、著者の希望の証しだ。
紀伊國屋書店大手町ビル店では、本書と、東芝危機の経緯と背景をたどったFACTA編集部「東芝大裏面史」(文芸春秋)が並べて特設の平台に置かれている。
「どちらの売れ行きも好調。なぜ失敗したかを追いかけた本は、このところ関心が高い」とビジネス書を担当する西山崇之さんは話す。
「未来予測本も売れていて、どちらも先行きへの不安を反映しているのかも」と言う。
■「地銀改革」本にも新顔
それでは先週のベスト5を見ておこう。
今回も5月に訪れたときと同じく新書のラインキングを紹介する。
(1)ドキュメント金融庁VS.地銀 読売新聞東京本社経済部(光文社新書)
(2)捨てられる銀行2 非産運用 橋本卓典著(講談社現代新書)
(3)閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済 水野和夫著(集英社新書)
(4)あの会社はこうして潰れた 藤森徹著(日経プレミアシリーズ)
(5)東芝解体 電機メーカーが消える日 大西康之著(講談社現代新書)
(紀伊國屋書店大手町ビル店、2017年5月29日~6月4日)
5月に1位だった「捨てられる銀行2 非産運用」(「『捨てられる銀行』第2弾大手町で瞬速の売れ行き」で紹介)は相変わらず好調で2位につける。
1位になったのは同じく金融庁の地銀改革に焦点を当てたルポだ。
3位はエコノミストによる世界経済の未来予測。
4位には、「倒産劇は何を語るか 八重洲で中高年読者の関心呼ぶ」の会で紹介した倒産劇をまとめた本が入った。
冒頭の本は5位。
西山さんの言うように、失敗と未来予測への関心が交錯する売れ筋だ。
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demomaasyasetuhayarimasuka
酒の官製値上げは不健全だ
スーパーなどでビール類の値上げが広がっている。
酒税法の改正で酒の安売りへの規制が強化された結果だ。
街の酒販店を保護し税制を確保するためと政府は説明するが、値上がりは消費を冷やすだけでなく、酒販店の経営改善にもつながらないのではないか。
新たな規制では、仕入れ値に人件費などを加えた総販売原価を下回る価格で販売していると国税庁が判断した場合、社名を公表した入り改善命令を出したりする。
効果がなければ罰金や販売免許取り消しなどの厳しい罰則が待つ。
現実には、企業努力による値引きと、不当な安売りとの明確な線引きは難しい。
小売りの現場には「何が過度な安売りか、基準がわかりにくい」との声がある。
小売業者は問題視されるのを避けるため、価格を決めるときに安売りを自粛せざるを得なくなる。
結果として消費者の負担は増えていく。
流通業の健全な競争を阻害しないためにも、罰則などについては慎重な運用を望みたい。
不当廉売の防止に関しては、これまでも独占禁止法に基づき公正取引委員会が摘発する仕組みがあった。
なぜ法改正をしてまで酒だけを特別扱いするのか。
一般の消費者には理解しづらいだろう。
今回の酒税法改正は、地方などの中小酒販店の要望を受け議員立法で実現した。
しかし長い目でみて、価格競争から守ることが本当に街の酒販店の存続や繁栄に役立つだろうか。
量販店にはない個性的な品ぞろえや独自のサービスなど、地域に密着した創意工夫を重ねる方が、市場の開拓や固定ファンづくりに役立つのではないか。
ユニークな小売店が増えれば地域の魅力も増し、観光振興にもつながる。
発泡酒なども含めたビール類の市場は長く縮小し続けている。
消費者の嗜好の多様化や健康志向の高まりの影響が大きい。
メーカーの一部には今回の安売り規制を歓迎する空気があるが、高くても売れる魅力的な商品の開発に力を入れることも忘れてはならない。
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by cwhihyou | 2017-06-15 10:11 | Comments(0)
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