「賢い佐川」「残酷ヤマト」といえるのか【商売の変な流れ】

魅力的な商品とサービスをバンバン開発し、バンバン製造し、バンバン売る。

これが日本のビジネスモデルだった。

ところが、開発は遅れるわ、製造はミスるわで、バンバン韓国に追いつかれている。

これが失われた20年の正体である。

そしてこれからは、バンバン売ることができなくなる。

それが「ヤマト、アマゾン配送から撤退」の本質である。

記事はmoreに。

このヤマト事件の特筆すべき点は、仕事があるのに、仕事が増えるのに、撤退したことである。

恐らく、これだけの大手がこれだけの商機を捨てたのは、史上初ではないか。

ヤマトは商機より労務の改善を取ったのである。

バンバン売ることより、労務を優先させなければならない事態が、日本経済に発生したのである。

アマゾンのえげつない商売は、2013年に発覚している。

佐川がアマゾンの仕事を放棄したのである。

資料はmoreに。

このときヤマトはアマゾンの仕事を継続した。

これをもって「賢い佐川」「残酷ヤマト」とはいえないだろう。

それどころか、当時の私は「根性のない佐川」「ガンガン行けヤマト!」と感じていた。

2013年から今日までの4年間に、ヤマトはバンバン売ることができないほど弱体化したのである。

しかし、ヤマトは国内有数の「工夫する企業」である。

だから、ヤマトの企業努力の少なさが、弱体化を招いたとは考えにくい。

それよりも、少子高齢化、人口減少、外国人拒否の当然の帰結と考えた方が、ストンと理解できる。

今回のヤマトのギブアップは、シャープと東芝の没落とは、ネガティブの種類が違うのである。

それよりも、あのトヨタですらリコール含みでクルマを売るしかない、というネガティブさに似ている。
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ヤマト、「アマゾン即日」撤退…配送負担減へ検討(毎日新聞 2017/4/7)
 宅配便最大手のヤマト運輸は、主要取引先であるインターネット通販大手アマゾンの「当日配送サービス」の引き受けから撤退する検討に入った。人手不足の中で夜間配達が増える原因ともなっており、サービスを維持するのは難しいと判断。当日配送の引き受けを徐々に減らす方針だ。

 アマゾンは日本郵便などの利用を増やす考えとみられるが、国内で独自に進化した当日配送などの利便性で成長してきたインターネット通信販売にとって、サービス体系を見直す転機となる可能性もある。アマゾン日本法人は「契約に関するコメントは控えたい」としている。

 ヤマトが2016年度に取り扱った荷物は前年度比7・9%増の約18億7000万個と過去最高を更新。特にアマゾンと契約した13年以降は宅配便の利用が拡大傾向にあり、当日配送による夜間配達も増えた。アマゾンの日本国内の売上高も右肩上がりに伸びており、16年は前年比3割増の107億9700万ドル(約1・2兆円)となり、初めて1兆円の大台を超えた。

 荷物の取扱量の増加に伴い、ヤマトでは荷物をさばく人手の不足が深刻化している。このため、今年度は運賃の値上げやサービス縮小で荷物量や労働時間を抑制する方向。6月以降、正午から午後2時までの時間帯の指定配達をとりやめることなどは既に決めている。こうした見直しの一環として、従業員の負担の重い当日配送については、引き受けを徐々に減らしていく方向で検討する。【中島和哉、今村茜】


要求高くて対価は低い 佐川がアマゾンとの取引撤退 宅配業界大揺れ(週刊東洋経済2013.10.1)

 日本独自の発達を遂げた宅配システムは、ついに首都圏などかなり広い範囲で「当日配達」が可能になるほどスピードアップした。その原動力は、ネット通販の世界最大手であるアマゾンだ。同社の当日配達実施率は、人口ベースで全国の8割近くまで達した。ネットで注文したその日のうちに商品が届くうえ、ほとんどのケースでは送料がかからない。

 だが、宅配業者にとってアマゾンについていくのは、容易なことではない。宅配便2位の佐川急便は、今年4月にアマゾンとの取引のほとんどを返上した。数量の変動が大きく、時間指定を含めサービスの要求水準が高い一方で、対価は極めて低かったからだ。

 2000年にアマゾンが日本に進出したときには、日本通運の「ペリカン便」が宅配業務を担当していた。それを佐川が引きついで、業界首位のヤマト運輸とともにアマゾンの配送を支えてきた。今回、佐川が撤退を決めたことで、アマゾンの宅配業務はほとんどヤマトが一手に支えることになった。

 ヤマトと佐川は、国内の宅配市場のシェアがそれぞれ4割前後。わずかにヤマトが上回る程度だが、配送を支えるネットワークの構成は大きく異なる。ヤマトが国内に約4000の営業拠点を持つのに比べ、佐川はその1割程度。配達員の数も半分程度でしかない。
 もともとヤマトのインフラは個人間取引を前提にできているが、佐川の場合は企業間取引がベース。その差が拠点数などに現れている。佐川は、配達員の数が足りない分は「アンダー」と呼ばれる下請けを起用して補ってきた。

 配達員のほとんどが社員であるヤマトでは、配達する荷物が増えるほど効率が上がる。だが、下請けに依存する度合いが高い佐川では、数量の拡大は外注費増に直結する。その分だけ、アマゾンからの値引き要求の打撃が大きかったとみられる。佐川は、今後は原点である企業間物流に活路を求める。

 一方のヤマトも安泰ではない。佐川の仕事の一部は日本郵便の「ゆうパック」が引き継いだが、配送品質が心配なアマゾンはこの仕事をしばらくヤマトに任せる方針だ。急激に増えた仕事を、ヤマトは配達員の残業で何とか回している。さらに物量が増えたときの人件費増をどうすべきか、ヤマトにとっては頭の痛い問題だ。

 アマゾンへの対応をめぐり、日本の宅配業界は大きく割れた。だが、企業がそれぞれの特徴をはっきりさせて生き残りを図るのは当然のこと。問題は、これがコップの中での争いに過ぎないかもしれないことだ。

 独DHL、米UPS、フェデックスなどは、グローバル企業のサプライチェーン改革や新興国市場の拡大を手掛かりに急成長している。彼らにとって、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を含めアジアでの自由貿易圏拡大は強い追い風だ。

 近い将来にアジアが主戦場となる流れをよそに、国内の過剰サービス競争に明け暮れているようでは大きなチャンスを見逃すことになりかねない。(副編集長 西村豪太)



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by cwhihyou | 2017-04-07 11:35 | Comments(0)
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