写経、日経社説2017.4.6

韓国大統領選は真の国益踏まえた論戦に
韓国大統領選挙の主要候補者が出そろった。
今月中旬の告示を経て、5月9日の投開票に向けた選挙戦が本格化する。
誰が当選するかによって日韓関係を含めた国政のかじ取りが大きく振れる可能性があるだけに、大統領選の行方を注視していく必要がある。
今回の大統領選は、保守系の朴槿恵(パク・クネ)前大統領の罷免を受けて実施される。
異例の短期決戦のなか、優勢とされるのはやはり革新系の野党候補だ。
とくに支持率でトップを独走する最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表は党内の予備選でも圧勝し、公認候補に選出された。
その文氏を中道系の野党第2党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)前共同代表が追う展開となっている。
半面、保守系は「自由韓国党」(旧セヌリ党)の公認候補の洪準杓(ホン・ジュンピョ)慶尚南道知事を始め、いずれも人気が低迷する。
選挙戦は安氏が保守・中道層の支持をどこまで取り込み、文氏との事実上の一騎打ちに持ち込めるかが焦点となりそうだ。
韓国は前大統領の醜聞で政治混乱を極め、保守と革新勢力による社会の亀裂も深刻になっている。
次期大統領は政財界の癒着を含めた政治不信の解消、社会の融和に取り組む重責を負う。
外交・安全保障面では軍事挑発を重ねる北朝鮮への対応が最大の課題となる。
北朝鮮は昨日も弾道ミサイルを発射した。
なにより重要なのは日米韓の連携だろう。
その点で気がかりなのは、とくに文氏が北朝鮮に融和的な姿勢を示し、米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備の後ろ向きなことだ。
慰安婦問題をめぐる日韓合意には文、安両氏とも否定的だが、国際的な約束をほごにするようでは信頼関係は築けない。
合意の履行を未来志向の関係を築く一歩と位置づけるべきだ。
各候補には現実を直視し、真の国益を踏まえた冷静な政策論争を求めたい。
日本政府は、釜山の日本総領事館前に少女像が設置されたことへの対抗措置として一時帰国させていた駐韓大使らを帰任させた。
少女像撤去の見通しは全く立っていないが、韓国の現政権はすでに統率能力を失っている。
次期政権との間で仕切り直しをするしかあるまい。
次期政権とのパイプづくりを進めるうえで、駐韓大使の帰任はやむを得ぬ選択だろう。
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iPS治療の普及策工夫を
iPS細胞を使った再生医療が普及へ向けて一歩前進した。
理化学研究所や京都大学のグループが他人のiPS細胞を使って目の難病を治療する臨床研究を始め、1例目の手術を無事終えた。
他人の細胞を使える意味は大きい。
患者本人の血液などからその都度iPS細胞を作るのに比べてすぐに治療でき、手間もコストも減らせるからだ。
ただ、同じ方法がそのまま様々な病気の治療に使えるわけではなく、課題は多い。
まず、安全性の確認をより徹底させなければならない。
今回、治療した網膜は他人の細胞を移植しても拒絶反応が起きにくい性質が知られている。
入れた細胞数も比較的少なく、その分安全だ。
一方、期待されている心臓病や脊椎損傷の治療では10倍以上の数が必要になる。
体内なので拒絶反応による炎症やがんが発生しても見えにくく、難易度が増す。
iPS細胞の円滑な供給も欠かせない。
臨床研究では、京大が特殊な免疫型の人の細胞から作り、何重にも品質を調べて備蓄したiPS細胞を使っている。
こうした細胞を供給できる機関は国内ではほかにない。
米欧のように専門企業が商業的に治療用細胞を作り、病院などに安定供給できるようにすることも課題だ。
日本では、2014年施行の改正法で再生医療に使う細胞について新薬承認を得やすくなった。
しかし、韓国や米国も追随して法制度を改めており、普及へ向けた日本の優位は早くも崩れつつある。
再生医療はiPS細胞以外を使う治療もある。
病気ごとにどんな細胞が最適かを判断し、ものによっては海外勢と組んで製品化を加速する工夫もいるだろう。
その際、大学や企業は重要な特許をしっかり押さえ、ライセンス契約をぬかりなく進めてほしい。
保険適用も必要だが広げすぎると財源がもたない。
既存の治療と比べ、再生医療がどれだけ効果的かを見極めなければならない。
国の普及策は、患者の利益と経済性の両面を考慮する必要がある。
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by cwhihyou | 2017-04-06 12:59 | Comments(0)
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