写経、日経2017.3.14

百貨店は生き残りに向けて構造改革を
百貨店大手、三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長が、業績不振の責任を取って退くことになった。
ネット通販の台頭などで、百貨店業界の売上高は最盛期の9兆円台から5兆円台まで縮んだ。
生き残りのためには各社とも抜本的な構造改革が必須といえる。
流行のファッションや海外のなどのライフスタイルをいち早く提案し、感度の高い客を引きつけるのが百貨店の強みだった。
しかし人気のテナントを集めたショッピングモールが郊外に増えたり、消費者が商品情報をネットで集めて購入するようになったりした結果、強みは急速に薄れている。
大西社長は改めて百官店の原点に戻り、都心の基幹店で最先端の流行情報を発信したほか、他店との同質化を避けるため独自商品を開発するなどの策を打ったが、実を結ばなかった。
従来型の百貨店の理想像を負う難しさを示したともいえる。
日本の流通業界が手本とすることの多い米国では、ネット通販に押された大手百貨店が相次ぎ大量閉店を決めている。
日本でもネット通販がますます拡大するのは確実だ。
小売業界は業界を問わず、この流れに備える必要がある。
その際、もっとも肝心なのは、消費者にとって価値のある店や企業を目指すことだ。
消費不振の中でも、JRグループの駅ビルは比較的、売り上げが好調だ。
通勤途中などに立ち寄れる便利さだけでなく、売り上げ不振のテナントはすぐ入れ替えるなど、消費者本位の運営が支持された。
百貨店にはこれまで、客より納入業者に目を向けがちな空気はなかったか。
厳しく反省したい。
「ユニクロ」や「ニトリ」といった専門店チェーンの台頭で、消費者が衣料品やインテリアなどに支払ってもいいと考える価値の水準はぐっと下がった。
百貨店の価格設定はこれまで通りでいいのか。
これも見直すべき点だ。
仕入れや価格の見直しには構造改革が不可欠となる。
自社で対応できなければ、魅力のある専門店チェーンにフロアごと入居してもらうのもひとつの手だ。
一部の百貨店は、すでにこうした貸しビル化に活路を求め始めている。
「百貨店らしさ」は減るが消費者に喜ばれ、人件費負担も減る。
小売業界は、最後は消費者に支持される店だけが生き残る。
自社が提供すべき価値は何か。
厳しく問い直してほしい。
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待ったなしの待機児童解消
待機児童がなかなか解消しない。
一年で最も保育施設に入りやすい4月を前に、自治体から入園不承諾の通知を受けた人が、今年も各地で相次いだ。
予定通りに職場に戻れないと、本人や家族はもちろん復帰を待っていた職場にも影響が大きい。
「やはり両立は難しそう」と、これから出産を考える若い世代をしり込みさせてしまうだろう。
待機児童の解消はもう待ったなしである。
政府は2017年度末までに待機児童をゼロにする目標を持つ。
13年度から自治体を強く後押しし、受け入れ枠を広げてきた。
だが待機児童は15、16年と2年連続で増え、今年も厳しい状況だ。
待機児童をなくすには、働きながら子育てしたいという住民のニーズをきちんと把握することが前提だ。
「予想を上回る申し込みがあった」。
自治体からよく聞かれる声だが、見通しが甘かった面は否めないだろう。
地域の実情に合わせて、計画を不断に見直し、保育サービスを増やしていくことが欠かせない。
大きな保育所は整備に時間がかかりやすいが、小規模保育なら機動的に整備できる。
幼稚園が果たせる役割も大きいだろう。
保育所の機能を兼ね備えた「認定こども園」への転換などを後押ししたい。
待機児童の解消には、保育の人材不足も大きな壁になっている。
処遇の低さや負担の重さから、資格があっても働いていない人が多い。
都市部では自治体間の獲得競争も年々、激しくなっている。
保育サービスを増やし、処遇改善を確実に進めるには、安定的な財源が不可欠だ。
社会保障を効率化しつつ、高齢者に偏りがちな財源の配分を見直す議論を始めなければならない。
安心して子どもを託せる場所があってこそ、保護者は職場で力を発揮できる。
少子高齢化と労働力不足に直面する日本にとって、保育サービスは大切なインフラだ。
安倍晋三首相は6月に新たな待機児童解消プランを出すという。
今こそ状況を変える決断が必要だ。
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by cwhihyou | 2017-03-14 12:04 | Comments(0)
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