エビデンスはこう集めろ

クライアントから「三菱UFJフィナンシャル・グループに関する豆知識を3000字で」という発注が来たとする。
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ライターはまず、クライアントの意図を推測をしなければならない。
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もちろん、直接「もっと詳しく指示をください」と依頼してもいいのだが、私はまずはもらったテーマだけでクライアントの気持ちを探るようにしている。
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このテーマに対する私の推測は次の通り。
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①豆知識とあるので軟派系の記事にしなければならない
②銀行業界ではなく、いち巨大企業グループにフォーカスを当てる
③「すげーぞ日本のトップ銀行」というトーンにしようかな
④記事構成は、最近のトピックス5割、基礎データ5割かな
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これが「記事の設計図」となる。
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④についてだが、トピックスについては、日経か朝日を元ネタにするとよいだろう。
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基礎データについては、①②を勘案すると、ホームページの要約程度でいいかな、とあたりをつける。
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そして、この手の記事の基本構図は、「褒めて、落として、少し戻して終わり」となる。
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もしくは逆に「落として、褒めて、少し落として終わる」でもよい。
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この「褒めて」と「落とす」に説得力を与えるのがエビデンスで、この場合、会社の公認ホームページのIR情報は必ずエビデンスに加える必要がある。
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それでまあ実際に三菱UFJフィナンシャル・グループの調査をしてみた。それをmoreに掲載した。
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これで30分ほどの成果。
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この作業は大学生の就活の初歩レベルである。
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これで1800字だが、ここから記事に引用できるのは100字あるかどうか。
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ただ、その100字足らずが、記事を引き締めることに役立つ。
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それは「その100字には1800字のパワーが備わっているから」である。
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この感覚を理解するのはなかなか難しいと思うが、そのうち分かるのでいまわ分からないでもOK。
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ここ数年の業績が良ければ「好調だがトランプ政権の影響でどうなるか不透明」とするし、右肩下がりの業績なら「V字回復の可能性についてアナリストはこう見ている」とする。
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このように、この手の軽い読み物の執筆では、「起と結」は筆者の自由自在である。
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クライアントもそこは突っ込んでこない。
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ただ、「どうしてその起にしたのか」「どうしてそう結んだのか」について聞かれたら、「このデータが示しています」とか「テレビでおなじみのコメンテーターがそういう見解です」と示せなければならない。
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つまり、エビデンスと筆者の主張が結ばれていれば、クライアントは納得するのである。
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もちろんこの手法は、3000字5000円以下の安い原稿だから採用できるのであって、1万字2万5千円のギャラが出るような原稿には、もう1ランクアップさせた書き方が必要になる。
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しかし残念ながら、エビデンスと筆者の主張の結びつけができていない原稿は散見される。
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まあその典型例がかの悪名高きDeNAのWELQだったわけである。
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「エビデンスの用意」と「主張との結びつけ」。たった2点なのに、こんなに簡単なのに、できていなかったのである。
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だから「とんでも医学話」などと非難された。
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これは編集者の指導の悪さもあったと思う。
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私が推測するに、というか、元WELQライターの私の経験から推測するに、編集者もエビデンスの使い方を知らなかったのだろう。
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確かにWELQ側の人たちは、ライターに対して「どこのホームページを参考にしたか示せ」と指示していたが、WELQ側がライターが示したそのエビデンスを解読できない。
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ただここで、面白い現象が起きる。
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「エビデンスの用意」も「主張とエビデンスの結びつけ」もできないクライアントでも、エビデンスに基づいた記事が「正しい記事である」と判断することはできる。
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つまり、「どこが良いとは言えないけど、あの人の顔は綺麗だと思う」ということである。
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なので、能力のないクライアントでも案外平気に、そして案外正しく、良い記事とダメな記事をジャッジできるのである。
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実はこれがWELQがあれだけ繁盛した理由でもある。
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WELQのスタッフには、文章を作る能力も文章を批評する力もなかったけど、なんとなく書けている記事と全然ダメな記事を見分ける能力があったので、瞬間風速的ではあったが日本一の医療記事サイトを勝ち得たのである。
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ただやっぱり、文章を作る能力も文章を批評する力もないと、あのように破綻するのである。
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というわけで、ライターを目指す人は、エビデンス集めには、十分な時間と十分な頭と十分なカネをかけなければならない。
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さもないと、身が立たないどころか、身を滅ぼすことになる。
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hai,erasouniittesimaimasitayo,tehe





簡易調査結果は以下の通りである。
ホームページをまとめただけ。
ポイントはコピペをするのではなく「写経」をすること。
ホームページの内容をひたすらワードに打ち込んでいく。
このひと手間を惜しむと、記事執筆の段になってスムーズさが出てこなくなる。
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●3大メガバンク

・三菱UFJフィナンシャル・グループ

・三井住友フィナンシャルグループ

・みずほフィナンシャルグループ

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●三菱UFJフィナンシャル・グループ

・略称MUFG

・取締役、代表執行役社長、グループCEOは平野信行氏

・資本金は2兆1415億円

・・2015年度

・連結経常収益5兆7244億円

・連結経常利益1兆5395億円

・親会社株主に帰属する当期純利益9514億円

・従業員数110,936人

・本社は千代田区丸の内、上場証券取引所は東京、名古屋、ニューヨーク

・モルガン・スタンレーと戦略的提携を結んでいる

・三菱UFJフィナンシャル・グループは持ち株会社

・傘下企業は、三菱東京UJF銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ証券ホールディングス、三菱UFJニコス、アコム、三菱UFJリースがある。

・傘下企業の傘下は以下の通り。

・三菱東京UFJ銀行の傘下は、MUFGユニオンバンク、アユタヤ銀行

・三菱UFJ信託銀行の傘下は、三菱UFJ国際投信

・三菱UFJ証券ホールディングスの傘下は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券

・MUFGグループは、持ち株会社に設置された5つの事業本部が参加の子会社を取りまとめていて、リテール事業本部、国際事業本部、市場事業本部、法人事業本部、受託財産事業本部がある

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・・リテール事業本部:粗利益全体に占める割合は30%、1兆2592億円

・個人客、住宅ローン、資産運用、相続、コンシューマーファイナンス、「貯蓄から投資へ」、クレジットカード

・三菱東京UFJ銀行:国内665のリテール拠点、預金、住宅ローン、運用商品、バンクイック(コンシューマーファイナンス)

・三菱UFJ信託銀行:相続、贈与、資産継承、信託商品、不動産仲介

・三菱UFJモルガン・スタンレー証券:運用商品、債券、株式、カブドットコム証券でネット証券も

・三菱UFJニコス:クレジットカード

・アコム:コンシューマーファイナンス(カードローン)

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・・国際事業本部:粗利益全体に占める割合は30%、1兆2792億円

・世界50カ国に約1200拠点、邦銀随一の海外拠点網

・三菱東京UFJ銀行:商業銀行サービス

・MUFGユニオンバンクとクルンシィ(アユタヤ銀行)は、アメリカとタイで現地企業向けビジネスとリテールビジネス

・三菱UFJ証券ホールディングスの海外子会社は、アメリカ、ロンドン、シンガポール、香港などで証券業務

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・・市場事業本部:粗利益全体に占める割合は15%、6338億円

・三菱東京UFJ銀行:東京、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、香港などでグローバルなビジネス

・三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ証券ホールディングス:東京、ロンドン、ニューヨーク、香港、シンガポールでグローバルビジネス

・MUFGユニオンバンクとクルンシィ(アユタヤ銀行)、三菱東京UFJ銀行の中国現地法人も業務展開

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・・法人事業本部:粗利益全体に占める割合は21%、9112億円

・三菱東京UFJ銀行:法人ビジネスの中核、40万社の顧客に貸出、決済、商業銀行サービス

・三菱UFJ信託銀行:不動産、年金、投資運用

・三菱UFJモルガン・スタンレー証券:証券、株式の引受、M&Aアドバイザリー

・三菱UFJリース:リースを活用したファイナンススキーム

・三菱UFJファクター:商流を金融面から支えるファクタリングサービス

・三菱UFJリサーチ&コンサルティング、三菱UFJキャピタル:コンサルティング、経営課題、創業間もない顧客への資金調達支援

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・・受託財産事業本部:粗利益全体に占める割合は4%、1722億円

・グローバル、投信、年金、国内外の顧客の資産の預かり、運用、管理

・三菱UFJ信託銀行:国内トップクラスの資産運用期間、国内外の機関投資家や個人に運用商品、日本マスタートラスト信託銀行(子会社)と海外市場への投資、資産管理、企業年金、海外運用企業との資本・業務提携支援

・三菱UFJ国際投信:三菱UFJ投信と国際投信投資顧問が2015年に合併して誕生、資産形成

・三菱UFJファンドサービス:旧butterfield fulcrum group、三菱UFJ信託銀行の100%出資子会社、ワンストップ資産管理サービス

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・・2011

・連結粗利益3兆5,020 億円

・経常利益1兆4,719 億円

・当期純利益9,813 億円

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・・2012

・連結粗利益3兆6,342 億円

・経常利益1兆3,441 億円

・当期純利益8,526 億円

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・・2013

・連結粗利益3兆7,534 億円

・経常利益1兆6,948 億円

・当期純利益9,848 億円

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・・2014

・連結粗利益4兆2,290 億円

・経常利益1兆7,130 億円

・当期純利益1兆0,337 億円

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・・2015

・連結粗利益4兆1,432 億円

・経常利益1兆5,394 億円

・当期純利益9,514 億円

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・・トヨタ(連結経営成績)

・2016

・売上高28兆4031億円

・営業利益2兆8540億円

・税引前当期純利益2兆9834億円

・株主に帰属する当期純利益2兆3127億円
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by cwhihyou | 2016-02-13 09:39 | Comments(0)
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