医者に医療記事の監修をさせるべきでない理由【WELQ問題】

この原稿は、旧WELQが提案した「都市型エンターテインメント医療情報」を、「必要なもの」「間違っていない」として論を進める。

DeNAの謝罪内容も、「WELQの記事の作り方に問題であっただけで、WELQ構想は否定されるなにものでもない」との立場を崩していない。

そこでDeNAは、医師の監修を徹底することで、問題を解決しWELQをリボーンさせようと考えている。

しかし私は、医師の監修は無意味で無茶で無謀で無理解だと感じている。

なぜなら、医師が監修した途端にWELQから「都市型エンターテインメント」の要素が抜け落ちるからである。

医師の監修を徹底した途端に、NHK教育の「きょうの健康」になってしまうからである。

「きょうの健康」は、つまらないという点で最悪すぎるし、正確さで最良すぎる。

旧WELQは「きょうの健康」のアンチテーゼだったわけで、そのために医師の監修を省いたのだ。

それに、医師の監修に手を染めた途端に、DeNAが大好きな「儲けること」ができなってしまうよ。

なぜなら、「医療記事の監修を手掛けてもよい」と言うような医師の多くは、DeNAよりもカネの亡者だからである。

そういった医者を紹介しよう。

以下に紹介する記事の筆者である。

しかもこの記事は「そこらの医者がブログで暴言を吐いている」という類のものではない。

読売新聞の要望に応じて寄稿したのである。


この医師は、
①監修するなら10億円寄越せ
②監修する医師なんてじじいかばばあ
③それができなきゃ「きょうの健康」を作ってな
と言っている。

これはDeNAの目論みを木端微塵にするばかりでなく、私のようなフリーライターの仕事を冒涜するものであると思うのだが、どうだろうか。

とにかく、記事を読んでいただきたい。

・・・・・・・・・

時給4万円!それでも医師が嫌がる健康サイトの監修
フリーランス医師 筒井冨美

(読売2016年12月22日 06時09分)

誤情報や無断転載があったとして、IT大手ディー・エヌ・エー(DeNA)は11月、健康や医療に関する同社のインターネットサイト「WELQ(ウェルク)」の記事の公開を中止した。
医師や薬剤師ら専門家による監修体制を整え再開するとしているが、インターネットにあふれる医療や健康に関する情報は玉石混交だ。
フリーランス医師の筒井冨美さんが、信頼できる健康情報の見極め方をアドバイスする。

記事監修の仕事はスルー

「ヘルスケア系メディアの記事監修 1件2万円」
「時給4万円も可能です!」
先日、こんな仕事案内のメールが、医師専門の人材派遣会社から入った。
発注元は非公開である。
医師専用のSNSを検索してみると、さっそく情報交換がされていた。
「これって、アレ?」
「ウチにも来た」
「うわぁ、君子危うきに近寄らずだよね~」
医師たちのこんなやりとりであふれていたので、私もスルーした。

家族には使わせないのに…

同社を巡っては、その後、ほかのサイトでも誤情報や無断転用などの問題が浮き彫りとなり、12月には、子育て関連の「cuta(キュータ)」、ファッション情報をまとめた「MERY(メリー)」など全10サイトが非公開となった。
同社創業者で会長の南場智子氏は、マッキンゼー日本支社を経て、米ハーバード大学でMBA(経営学修士)を取得というピッカピカの経歴で知られる女性経営者だ。
12月7日に行われた謝罪会見で、南場氏は「(夫の闘病生活を支えるにあたって)ウェルクは全く見ていなかった」ことをサラッと言ってのけた。
「家族には使わせない粗悪品を、他人には堂々と売るようなもの。それって商売人としてどうよ!」と、私は思ってしまった。

監修を好む医師って?

なお、監修してくれる医師探しをしているだろうDeNAにアドバイスすると、「インターネット経由で、監修してくれる医師を探す」という行為は、的外れな努力である。
インターネットに慣れ親しんでいる若手~中年医師には、ウェルク事件がすでに知れ渡っているので、「数十億円+執行役員ポスト」を用意するならばともかく、監修料2万円で医師キャリアを棒に振るようなリスクを取る情報弱者はいないだろう。
むしろ、スマートフォンも持っていないような、ネット親和性の低い70代以上の医大名誉教授クラスをターゲットにして、昭和流に手紙や電話でアプローチして「先生のお力添えを……」と集団でペコペコした方が、「まだまだワシも満更まんざらでもないな」と気分良く協力してくれる可能性があると思う。

健康情報を巡る問題ということで、かなり唐突ではあるが、ここで「フリーランス女医が教える絶対にやせる2つの習慣」を披露したい。

健康情報はファッションではない
★食べる量を減らす
★運動量を増やす
以上、である。
……って、「当たり前じゃん!」「つまんねぇ~」と思ったあなた、その通り。
「ハリウッド式ミラクル……」
「○○ブートキャンプ」
「糖質制限」
毎年のように、こうした新しいダイエット法が流行はやっては廃すたれていくが、結局のところ、ポイントはこの2点に集約されるのだ。
有用な健康情報の多くは、常識的で退屈なものである。
日本で医学監修が最も優れたテレビ番組はNHK・Eテレの「きょうの健康」(月~木曜午後8:30~8:45)だろう。
だが、残念ながら内容は退屈で視聴率も低く、流行の発信源にはならない。

健康被害を生むダイエット法も
一方、民放のバラエティー番組の医療ネタは、魅せるための演出が加わって視聴率は高く、紹介された食品がスーパーで売り切れることもある。
しかし、医学的にはビミョ~なものが多い。
かつて、「納豆ダイエット」のようにデータの捏造ねつぞうが発覚したり、「白インゲン豆ダイエット」のように番組内容をまねた視聴者が入院したりする健康被害を生んだものもある。
出版業界も同じようなものだ。
「家庭の医学」や「メルクマニュアル」のような医学監修はバッチリだが、教科書のように退屈な本では手にとってもらえない。
「間違いだらけの○○医学」
「○○でガンが消える」
「1日5分の○○体操で認知症が治る」
こういった、センセーショナルなタイトルの方がよく売れるはずだ。
そして、その延長線上に生まれたのが、オシャレだが内容がデタラメだったサイト「ウェルク」なのだ
ろう。
(以下略)

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いかがだろうか。

この医者は、「まともな医者は、気軽に読める医療記事作りになんて協力しないよ」と言っているようなものである。

しかしそれは間違っていると思う。

気軽に読める都市型エンターテインメント医療記事は、国民の健康増進に役立つと考えるからだ。

そして、この医師は、遠回しに医療記事への監修を断っている。

DeNAよ、医者になんか頼むな。

それでも安心してよろしい、なぜなら、日本経済新聞のものすごくきちんとした医療記事は、医療素人によって書かれているのだから。

ワールドビジネスサテライトの「治る医療」取材班に、医者なんて1人もいないから。

医者の監修なんか受けずとも、医療記事を公表することは法律上なんら問題はないんだから。

ライターの育成、医療ライターへの高額ギャラ保証、これがDeNA、すなわち新生WELQの最大の仕事だ。










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と思うぞ。

とかなんとか、また偉そうに言っちゃたりなんかしちゃったりなんかしちゃったりして、てへ。





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では、一般の人たちはどうやって医学的・科学的に信頼できるサイトを見分ければよいだろう?

検索方法にひと手間
「減量」という言葉だけで検索した場合

「減量 site:ac.jp」と検索した結果

 インターネットで信頼できる医療情報を手に入れるのにおすすめの方法が、ドメインを「ac.jp」に限定して検索する方法である。

 知りたい病気や症状などのキーワードに加えて、「site:ac.jp」を検索に入力するだけである。

 ウェブサイトの「ac.jp」は、大学や研究機関に与えられるドメインであり、これを検索条件に加えるだけで、学術的で信頼性の高いサイトが上位にヒットするようになる。

 実際に確認してみよう。

 〈写真1〉は、単純に「減量」という言葉を入力して検索した結果であり、営利目的っぽいサイトが多い(以前はウェルクのような怪しいサイトだらけだったので、これでもだいぶマシになった)。

 〈写真2〉は、「減量 site:ac.jp」と検索した結果であり、違いは一目瞭然である。



良薬は口に苦し



 同様に、「go.jp」も、政府機関・国立病院・各省庁管轄の研究所に与えられるドメインなので信頼性が高い。単に「乳がん」で検索すると、結果の上位に「芸能人ニュース」や「情報まとめサイト」が紛れ込むが、「乳がん site.go.jp」で検索すると、国立がん研究センターや厚生労働省などのサイトがずらっと並ぶ。

 もちろん、こういう学術系サイトには、ウェルクのようなオシャレなイメージ写真やセンセーショナルな見出しはない。

 NHKの「きょうの健康」や医学書のような本は、退屈で理解するのに骨が折れるが、「良薬は口に苦し」と考えて少しずつ咀嚼そしゃくしてほしい。



 最後に年末年始でも、無料かつ簡単、そして医学的に有効な健康法を一つアドバイスしたい。






















安心してください


ゆっくりくつろげる埼玉県川越市の献血ルーム
ゆっくりくつろげる埼玉県川越市の献血ルーム


献血ルームにはお菓子などもある
献血ルームにはお菓子などもある


 その健康法は、献血である。

 献血は他人に血液をプレゼントするだけでなく、採取した血液をくまなく検査するので、もれなく人間ドックレベルの血液検査が無料で付いてくる。

 しかも、現在は日本赤十字社の「複数回献血クラブ」に登録しておけば、過去の自分の検査データを自動的に保存してくれる。過去の値と比較することができるので、「コレステロール値が上がった」「肝臓の調子が悪い」といった健康管理の指標にできる。

 献血ルームの多くは駅近くにあり、ラウンジ(写真)には無料の雑誌やドリンクやお菓子がふんだんにある(写真)ので、のんびりできる。ラウンジごとに景品やドリンクが違うので、いろいろ回ってみるのも面白いかもしれない。

 健康に不安なんてないという学生や若者にもメリットがある。近年の就職活動では、面接の際にボランティア活動について聞かれることがある。

 就活の時期になって、慌てて被災地に出向いてわざとらしいエピソードを作るぐらいならば、「ささやかですが、年に2~3回は献血で社会貢献しつつ、自分の健康もチェックしています」という回答は、面接官の好印象を得られると思う。就活の一環としてもおすすめしたい。


 2016年11月、かねてより「記事の信憑しんぴょう性」「組織的な著作権侵害」などについて、各方面から疑問や抗議が寄せられていた情報サイトの「ウェルク」が全記事非公開化に追い込まれた。

 この影響で、同社に限らず、健康情報の信憑性を不安視するサイトについては、医師による「監修」を求めようという動きが相次いでいるのだろう。

 とうとう私のもとにも、「記事監修」の仕事依頼が舞い込むようになってきたということだ。
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by cwhihyou | 2016-12-22 13:24 | Comments(0)
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