労働組合はクラウドワークスを守るのではないか

こんなコメントが寄せられた。

「クラウドワークスでのライターの報酬についてどのようにお考えですか?
このブログの名前のように、労働組合を作るみたいな計画が出てこないものかなあ…と考えています。
ライターをしている方は、皆さん副業であるとは思いますが、それにしても安すぎませんか?
仕方がない…家でできるし、資格がなくても、学歴や職歴がなくても、仕事にありつけるんだから、よしとしよう。
または、将来、ライターを本職にするためのトレーニング期間、本来なら月謝を払うべきなのに、報酬をもらいつつ勉強できるのだからありがたい、とお考えの方ばかりなのでしょうか?」


この方の悩みというか疑問は、よく分かる。

また、クラウドワークス経由で仕事をもらっているライターなら、1度はこのようなことを考えたのではないだろうか。

それでもクラウドワークスでの仕事を継続しているのは、飲みこんでいるからなのだろう。

私はブログのタイトルに「労働組合」を付けたが、当然のことながら、私はフリーランスであり、株式会社クラウドワークスの労働者でもないし、クライアントの労働者でもない。

労働組合は労働者しか作れないので、私は労働組合を作れない。

――わけではない。

実は労働組合は、異なる会社の同じ職種の人が集まっても作ることができる。

なので「クラウドワークスライター労働組合」みたいなものがあってもよいと思う。

ただ、より重要なことは、このコメントをした人が、クラウドワークス経由で受ける仕事の労働条件に不満を持っていることである。

私も、そして多くのクラウドワークスフリーランスも、不満を持っているのではないだろうか。

私は労働基準監督署や厚生労働省は、クラウドワークスをウォッチしているのではないかと想像している。

もしこの読みが正しければ、「そのとき」はWELQ問題ははるかに上回る社会問題となるだろう。

争点となるのは超低報酬問題だけではない。

ワーカー、つまりフリーランス側も脱税チックな話で標的となりうる。

クラウドワークス上での2016年期の総契約額は、45億円だそう。

このうちの80%がフリーランスに、20%がクラウドワークスに渡っているわけだ。

45億円の80%は36億円であり、財務省はこの売り上げ金額に相当する税金をきちんと徴収できているのであろうか。

少額小口業務が大量に発生した場合、税を徴収する側は大変になり、脱税する側は簡単になる。

つまりクラウドワークスのビジネスモデルには、この2つの爆弾が潜んでいる可能性がある。

これを爆発させるか、それとも不発弾として半永久的に地中にとどめておけるかは、ひとえに、クラウドワークスがフリーランスと良好な関係を築けるかどうかにあると思う。

厚生労働省は、警察や財務省と異なり、カネを出す側とカネを受け取る側が良好な関係にあると、あまり関心を示さないという性質がある。

警察や財務省が悪をつかまえたがるのに対し、厚生労働省は平和を尊ぶからである。

これがクラウドワークスフリーランス労働組合を作った方が良いと考える理由のひとつめ。

ただ厚生労働省は、キャンペーン型の捜査を行う。

例えばハンバーガーチェーン店を叩くキャンペーンや、居酒屋チェーンを叩くキャンペーンなどである。

これは労働基準監督署の職員が少ないからである。

「よし、今年はこの業界の正体をあばこう」というふうにキャンペーンを張らないと、成果を上げられないのだ。

だからフリーランス側が騒ぎ始めれば、厚生労働省がクラウドワークス問題をキャンペーン企画に揚げるかもしれないのだ。

よって、むしろクラウドワークス側からフリーランスのご機嫌伺いをした方がよい。

確かにクラウドワークスはこれまでに、ワーカーたちを集めてパーティーを開いた入り、お笑い芸人にPRをさせたり、はたまた「ボーナス」を企画したりして、ご機嫌伺いをしているようだが、おそらくこれだけでは不十分だろう。

その証拠が、フリーランスたちによる掲示板への殴り書きであると思う。

マスコミがWELQ問題を知りながら、ある時期までこの問題をいじれなかったのは、役所が動かなかったからである。

日本のマスコミは、公的機関が「怪しい」というアクションを取らない限り、例え「問題があるよなあ」と感じていても動かない。

WELQ問題が噴出したきっかけは東京都がDeNAに調査を呼びかけたからである。

つまり役所が動くと、マスコミは一気に吠え始める。

もしかしたら、新聞や雑誌は、クラウドワークスの調査に乗り出しているのではないか。

だから、厚生労働省内にクラウドビジネスに関する検討が行われただけで、マスコミはことさらに「問題業界にメスが入るのか!?」と騒ぎ始めるだろう。

そうなったら、正義も法律も関係なくなることは、WELQ問題で私たちが見てきた通りである。

マスコミに騒がせないためにも、労働組合はあった方がいいと思うのだが。






.
とか言ってみたりして。





.











【資料1】
東京都、WELQ問題でDeNAを“呼び出し” 「同様な他サイトへの対応も検討」
2016年11月30日 11時47分 更新[岡田有花,ITmedia]
DeNAの医療情報サイト「WELQ」を東京都も問題視し、福祉保健局がDeNAに来庁を依頼している。医薬品に関する不正確な情報を掲載しているほかのサイトへの対応も検討しているという。
 「不正確な情報が掲載されている」と問題になったディー・エヌ・エー(DeNA)の医療情報サイト「WELQ」を、東京都も問題視していることが分かった。都福祉保健局は11月28日、「WELQに問題がある」と判断し、DeNAの担当者に来庁を依頼したという。医薬品に関する不適切な情報を掲載しているほかのサイトへの対応も検討している。

画像
WELQの「病気・不調」まとめのランキングより(現在は非公開)
画像
「吉野家アレルギーって何?」「餃子の王将メニューでアレルギーが起きるの?」などのページもあった

 WELQは、医療の専門知識を持たないライターが書いた記事を大量に掲載していた医療情報サイト。「内容が不正確だ」と批判を浴びていたほか、薬機法(旧薬事法)違反とみられる記事やほかサイトからの無断転載も多数あり、10月下旬ごろから“炎上”状態になっていた。DeNAは11月25日、専門家による記事の監修を順次行うと発表したが批判はおさまらず、29日に全記事を非公開にした。
 WELQが非公開になる前日の28日朝、東京都議会議員の音喜多駿(おときた・しゅん)氏が、都福祉保健局の健康安全部にWELQの問題点を報告しており、医薬品の無許可販売の監視などを担当する薬事監視担当課が28日、「事情を聞きたい」と、DeNAの担当者に対して来庁を依頼していた。DeNAの担当者が多忙のため面会は実現していないが、「余裕ができたら連絡してほしい」と伝えており、今後、面会して協議したいとしている。
 同課の河野安昭担当課長は、「医学的根拠がない情報が流れているかもしれないと、音喜多議員から報告を受けた。WELQは医薬品販売サイトではないため、従来は監視対象ではなかったが、情報サイトであっても、『特定の商品がこういう病気に効く』と記載すると法的には医薬品に当たる。WELQの記事は薬機法の観点からも問題があると判断した」と話す。

画像
「梅肉エキスが肩こりに効く」などと記載し、アフィリエイト広告を掲載していた記事も(現在は削除)

 医療に関する不正確な情報や、薬機法違反とみられる情報を掲載しているサイトがWELQ以外にも多数あることは「承知している」(河野担当課長)という。「WELQだけではなく、そういったサイトにどう対応するかも含めて協議いしていく。広がりがあるということなら、都だけでなく国との協議も必要かと考えている」。

【資料2労働行政の現状2011年11月(全労働省労働組合)
労働条件の最低基準を確保する役割を持つ労働基準監督署について見てみると、全国に配置される労働基準監督官は約2,941 人(※本省23 人、労働局444 人、労働基準監督署2,474 人/実際に臨検監督を行う監督官は、管理職を除くため2,000 名以下となる)であり、全国に1 人でも労働者を使用する事業は約409 万事業場(※「平成18 年事業場・企業統計調査」より)の臨検監督を実施する場合、監督官1人あたりにすると1,600 件以上で、平均的な年間監督数で換算すると、すべての事業場に監督に入るのに25~30 年程度必要な計算となります(※平成22 年度は174,533事業場を監督し、監督実施率は4.3%)。
雇用者1 万人当たりの監督官数で比較すると、日本は0.53 人となり、アメリカを除く主要先進国と比して1.2 倍~3.5 倍の差があります(【表2】)。
平成20 年度に実施した監督の労働基準法等の違反率は68.5%(【表3】)であり、3 分の2 以上の事業場で法律違反があることから、日本においては労働者の労働条件が十分確保されているとはいえない状況です。

【表2:諸外国における労働基準監督官の数】(厚生労働省作成/2010 年7 月)
雇用者1 万人当たりの監督官の数
日本:0.53
アメリカ:0.28
イギリス:0.93
フランス:0.74
ドイツ:1.89
スウェーデン:0.64










.
[PR]
Commented at 2016-12-18 17:31 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by クラウドワーカーの一人 at 2016-12-18 22:16 x
実は私は、ブラック企業が騒ぎになった頃から、なぜクラウドワークスには、調査が入らないのだろう?自分に伝手があれば、このあまりにひどい現状を、国会議員や、都議会議員に訴えたいところだと考えていました。また、年に1回送られてくる消費税を押し付けられていませんか?という調査票が来るたびに、ちょっと方向が違うから、この調査票でクラウドワークスのこといいつけても意味ないだろうなあ…などとため息をついたりもしていました。報酬が安いことに加えて、仕事を受ける側が絶対的に不利であるシステムもおかしいと思っています。仮払い制度にはなっていますが、本契約の前には、お試しで低価格で原稿を書かせるという募集もよく見かけます。ワーカーを守るという要素が非常に低いと思うのです。本当に、どこか力のある機関が、調査を始めてくれたらいいなあと思います!
by cwhihyou | 2016-12-18 09:21 | Comments(2)
クラウドワークスを使ってライターの仕事をやっています